陸中川井駅での車中泊は、一晩中降る続ける雨の中、車の屋根を叩く雨音を子守歌代わりに
ぐっすりと眠ることが出来た。というのは、無理がある。やっぱりうるさくて時々目が覚めたし、何回
かはトイレに行ったのだった。
恐らく、前日の牛乳が原因だろう。がぶ飲むと賞味期限切れ、この二つだ。だから、雨の中でも傘を
差しながらのトイレ通い。これも自分の不始末だから仕方がない。
さて、それでも5時半には起床し、駅を出発。国道340号線を南へ。途中、小国というそれこそ小さな
集落で見つけた名もなきお寺。

国道から見えたが、道を1本入らなければいけない。でも、何となく見学してみる価値ありと、
立ち寄ることにした。
やはり、その価値あり。お寺の名は大圓寺。創建が1394年というから、室町時代のこと。
3代将軍足利義満が将軍職を4代義持(よしもち)へ譲り引退した年だ。
寺を取り囲む樹木群は600年の歴史を持つ、という。お寺も木々も相当古い時代の昔から存在して
いたのですね。

その名の通り、600年以上も長生きしてきた杉の木を始めとするお寺の境内にある樹木。

高い木々だ。
さて、その後霧で包まれた立丸峠(780m)を越えて遠野市へ。細く険しい道のりで所々で
道路拡幅のための工事中。
日本百名山の早池峰山(1913.6m)を眺めたかったが、山は霧でまったく見えず。
遠野市の最初の見学場所は、鍋倉城跡。小高い丘の上にある小さな城だった場所で、周囲は
森。展望台へ行ったら、そこでびっくり!

何と!カモシカがいたのです。最初は、剥製が展示されているのかな?と思ったけど、まさか
こんな所に剥製があるわけはない。そして、近づいたら動いたのです。
これには驚いた。遠野市で、河童ではなくカモシカに会うとは!
その後は、この子供のカモシカ(?)は走り回って逃げていったけど、少し怖さもあったので撮った
写真はこれ1枚だけ。
カモシカと出会ったのは、これで2回目。1回目は山形・福島の県境の旧大峠で、道路に偶然出て
きたカモシカと遭遇した。
2回目がこれ。間近で見れました。
城跡からの風景。遠野市が一望できる。

まさしく、これ盆地!山々に囲まれていて緑豊かな土地。ここを支配した人が城を構えた。

別名、遠野城や横田城とも云われ、1570年代初め阿曽沼氏により標高300m代の鍋倉山に
築いたが、1590年に豊臣秀吉の小田原攻めに参加せず、秀吉の怒りをかって領地没収され、
南部氏の支配下となる。
以後、明治維新まで盛岡を拠点とする南部藩の支藩の一つとして存在したが、1872年(明治2
年)廃城となる。

城跡は鍋倉公園となっていて散策する。

雨も止み、太陽こそ顔を出さないが暑くもなく歩きやすい。さっきのカモシカは何処へ行ったの
だろう?
もう、人里へ降りて来るなよ。
遠野のことをもっと知ろう!と、城跡の下に位置する市立博物館を見学することにした。

さすがに南部藩の支配下にあっただけに、南部神社だ。

ホントは、遠野のことを調べるために図書館でいろいろと読みたかったが、当日は休館日。
そこで、無料の駐車場に車を停めてとなりにある博物館へ。

立派な建物ですね。大人300円。
最初に、2階で遠野物語の世界をマルチスクリーンの映像を見る。河童の話が分かった。
1階は南部家1万石の城下町、農村文化、遠野物語の資料、柳田国男と佐々木喜善の紹介
など見どころたっぷり。これで、300円とは安い。
知識をたっぷりと仕入れ町中へ行く。
まずは遠野駅へ。

煉瓦造りの素敵な駅ですね。
早速、カッパ発見!

映像で拝見したふくよかな河童と違い、やせていて怖い人相だ。人の相?河童顔が正解か?
櫓の上にもいた。万歳しているのは誰だ?

河童じゃなかった。天狗でした。

というわけで、遠野市をじっくりと歩きます。
明日は、河童のいた川や馬の神様オシラサマへ行きますのでお楽しみに!
コメント