カッパ淵を見て、遠野を後にする。県道35号線を釜石方面へと東へ走る。
途中、六角牛(ろっこうし)神社へ。

晴れていれば、六角牛山(1294m)へ登山もしたいが、山麓は曇り空、中腹からは雨が降っている
だろうから断念。
厳しい県道の山頂は、笛吹峠。源義経が越えた峠だ。

峠を降りてすぐ、橋野高炉跡があった。

今年7月に、ユネスコ世界文化遺産に認定されたばっかり。
橋野鉄鉱山は、鉄鉱石の採掘現場、運搬路跡及び高炉跡により構成される鉄鉱山及び製鉄所の
総称である。
江戸時代末期、鎖国をしていた日本に対し欧米列強が接近し、開国を迫った。幕府はその脅威を
打破するために欧米のような鉄製の大砲を造ろうと日本各地に反射炉が造られた。
しかし、その素材は砂鉄を原料とする古来からの「たたら製鉄」。
それは、亀裂を生じるなど西洋の優れた大砲には遠く及ばない代物だった。
そこで、水戸藩の那珂湊(なかみなと)反射炉の建設に携わった盛岡藩士の大島高任(おおしま
たかとう)は、良質な鉄鉱石を原料とする鉄鋼の供給が必要と考え、1858年橋野鉄鉱山を開いた
のだった。

安政時代とは、まさに幕末。最盛期には約1000人の従業員がいたとされ、大工や鍛冶などさまざま
な職人が住む長屋や作業場もあったとされている。
まさしく、ここは近代日本の源流である。

鉄が出来るまでの工程の案内板があって、分かりやすい。
入場は無料ですよ。
でも、ここは完全に山の中。だから、こんな注意を促す看板も。

ゲッ! 熊出没!
北海道と違って、ヒグマではないけど月の輪熊でも怖い。
朝8時過ぎで、誰もいない広大な高炉跡地。
一番高炉。5.8m四方、高さ2.4mの花崗岩の石組みが4段。2番、3番高炉もある。

広い敷地を歩けば1時間はかかりそう。

山の神を奉る神社もある。

市之助の墓。

市之助とは誰?

これは3番高炉。花崗岩の基壇2段の上に5.4m四方、高さ2.8mの石組みが積まれている。
当時の高さは7mもあったという。

駐車場のあるところにインフォメーション・センターがあって、DVDの放映や資料もたくさんある。
というわけで、大島高任築造による現存する日本最古の洋式高炉跡、今年7月ユネスコ世界文化
遺産となった橋野鉄鉱山を見学できていい勉強になりました。
そして、次に鉄の町釜石へと向かいます。釜石は2019年ラグビーワールドカップの開催都市でもある。
それは、また明日!
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