天北線は、1914年(大正3年)に音威子府駅から小頓別駅まで開通したことが始まりで、
1922年(大正11年)に稚内駅(現在の南稚内駅)まで開業し、宗谷本線として日本最北の
鉄道が開通しました。
しかし、オホーツク海経由の宗谷本線に代わり日本海経由の現在の宗谷本線が完成
すると、1930年(昭和5年)にオホーツク海経由の宗谷本線は北見線と改称され、さらに
1961年(昭和36年)に北見線は天北線となりました。
そして、JR発足後の1989年(平成元年)に赤字路線の解消の一環で廃止されました。
天北線は、音威子府駅と南稚内駅を結ぶ148.9kmの長大路線の全29駅。
音威子府村から中頓別町、浜頓別町、猿払村、稚内市を結んでいます。浜頓別町から
猿払村までオホーツク海を走り、最後はサハリンを望む宗谷湾を走り南稚内駅まで到達
する地域は、道内でも極めて人口希薄の地区です。
それでは、浜頓別町のクッチャロ湖キャンプ場を出て猿払駅まで行きます。
まずは、クッチャロ湖にあった旧天北線をサイクリング・ロードに変えた地図。
緑色のラインがサイクリング・ロードで、旧天北線の線路跡。

クッチャロ湖を出てすぐのサイクリング・ロードは、通行止め。なぜなら「熊出没 立入禁止」
の看板が。

この幅だけ見ても、単線だという事が分かりますね。せいぜい一車線の道を舗装して
サイクリング・ロードにしましたが、熊が出没するようでは走れません。
浜頓別駅の次の山軽駅は、このサイクリング・ロードの間にあって、駅跡地を探すことは
無理。そこで、次の安別駅へ。ここも探すのに苦労しました。

なぜなら、ナビに登場しないからです。27年前に廃止された駅など、ナビでは検索できない
ですよね。でも、地図を見て検討を付けて町道を走りたどり着いたわけです。

旧安別駅の待合室は、サイクリング・ロードの休憩場とトイレになっていましたが、室内は
ガラスは割れて滅茶苦茶な状態。中に入りだけでも大変でしたのは、この写真を見ても
お分かりでしょう。入口は、屋根に届きそうなイタドリの葉で塞がれていますからね。

ここも「熊出没 立入禁止」の看板があって、次の飛行場前駅には行けません。
飛行場前駅とは、かつて太平洋戦争時、陸軍の飛行場があったことから名付けられた
そうです。

熊が出なければ、さっそうと自転車を走らせることが出来るのに、と思わせる
サイクリング・ロード。

でも、どこからでも熊が出てきそうな道で、走っていて木の陰から出てきたらどうしよう?

次の浅茅野(あさじの)駅も、地図を見て探し当てました。浅茅野集落へ行くと旧駅を示す
看板が。

ありました。浅茅野駅のホームが。石垣で一段高くなった部分がホーム。北海道の夏の花
のルピナスが咲いている。花壇でも咲かせますが、野生の花で種がこぼれてどこでも咲か
せてくれます。
次の駅である猿払駅へ行く途中に、廃校となった猿払小学校があった。

実は、猿払村といっても中心部は鬼志別(おにしべつ)で、猿払村の名前のここ猿払は
バス・ターミナルが置かれているだけの小さな集落。

トイレも完備したバス・ターミナルで、バス停には「猿払」の文字が見えます。
ここがサイクリング・ロード終着点。でも、草刈りが行われておらず、これじゃ走れません。
それに、ここも「熊出没中」。

ケシの花が咲いています。広い駐車場があるが、そんなに駐車するのだろうか?
それに道路に停めても駐車禁止のマークもないし・・・。

次の芦野駅を目指すが、サイクリング・ロードはもうない。線路跡地は道道へと変わり、
そのナンバーは四桁の1089号線。この真っすぐな道にレールが敷かれていたのだろう。

「北海道廃線駅跡写真集」や「北海道の鉄道廃線跡」の本を読むと、ここ芦野集落が
駅跡地。

正面に神社があった。私の車が停めてある場所は、交通公園となっていたが、雑草だらけ
で整備された気配はない。まして集落を歩くと廃屋だらけで、神社まで行くのに人とは会わず。
右の自治会館と白い建物の消防施設だけが使用されている感じで、あとは廃墟の建物。

タンポポが咲く小高い丘にある神社からの眺めです。

階段も草で覆われていて、しばらく参拝者もいなかったのだろう。
遠くにオホーツク海が見えるはずだが、曇り空で分からず。

酪農感謝の碑があったが、夏でも寒冷な道北では農作物の栽培が困難で酪農主体の農業
だったのでしょう。それでも離農する方が多く、人口は減少の一途をたどっています。
猿払村の人口は、2015年で2683人。浜頓別町で3880人。宗谷管内の人口は稚内市の
3.6万人を入れても6.7万人。5年間の減少率は8.1%で、道内最大クラスの一つ。最大が
空知管内の8.3%なので、それに次ぎます。
宗谷本線すら名寄駅以北は廃止の声が聞こえてきます。だから民営化された平成の時代に
入り天北線は廃止されたのも人口減=乗客減だからです。
明日は、猿払村の中心の鬼志別駅跡へ、さらに終着駅へと向かいます。
では、また!
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