雲一つない秋晴れの9月26日、火曜日。日が差し込む朝方は、ぐっと冷え込み
朝刊を取りに玄関の外の出てみると吐く息が白くなるほど。
それでも、時間が経つほどに気温は上昇し、日中は25度まで上がり動いていると
汗ばむくらい。そんな秋のさなかに、「廃止された函館市電の電停を訪ねる旅」を
してみました。
きっかけは、昨日読んだ「函館・道南鉄道ものがたり」(原田伸一 著 北海道新聞社)。
その中で、函館で路面電車が運営された記事がありました。
「市電か・・・しばらく乗っていないなぁ、そう云えば廃止になった路線もあったな」と。
今までの旅を振り返ると、廃止された線及び駅を訪ねる旅をしていきたが、地元函館で
廃止された電停を訪ねたことはなかったな、と。
そんなことを思い出しながら昨夜、明日は「あの電停跡はどうなっているんだろう?」とか
「電停があった、あの場所はどうなのか?」と訪ねる旅をしよう!と眠りについたのでした。
心臓の手術からちょうど2か月経過した今、動いて大丈夫なのか?心配しながらも興味津々
の自分を抑えることは出来ない。
やっぱり、好奇心が勝り出かけました。無理せずに動いてみます。
そんなことで、今日からしばらく「廃止された函館市電の電停を訪ねる旅」が始まります。
まずは、自分の家の一番近くにある電停「駒場車庫前」へ。
ここは、1934年(昭和9年)3月21日の函館大火で新川町の車庫が焼失し、電車48両
始めその他各施設が焼失したために、その代替施設として同年の暮れも押し迫った12月27日に
完成しています。
だから、今年で83年目を迎える古い車庫でもありますね。

車庫前の名の通り、ここは函館市電の車庫です。
ここには、乗客を乗せる路面電車以外に、除雪をするササラ電車や函館港まつりで使用
される花電車も保管されています。
路面電車と云えば、東京の都電、長崎や広島、松山などを思い出しますが公営はわずかに
5つの自治体のみ。東京都以外では、札幌市・熊本市・鹿児島市と函館市だけなんですね。
第三セクターとしては、富山や高知などにあり、民営は長崎・岡山・広島など。
そんな中で、函館では1897年12月に馬が客車を引く馬車鉄道が運行を始めています。
下の写真をご覧ください。

1897年と云えば、日清戦争で日本が勝利し下関条約が締結されてから2年後。
清国の旧満州に進出する日本を警戒したロシアはフランス、プロイセンを誘い
三国干渉をしてきた時代です。
経営は、亀函(きかん)馬車鉄道株式会社。亀は亀田のことで、函館の北部の地名で
歴史的には函館より早い時期に集落が出来た場所。市となったのは1971年だが2年後
の1973年函館市に編入されています。
市としては、わずか760日の命で京都府伏見市の700日に次ぐ日本で2番目に消滅した
短命の市です。
その亀田と函館を結ぶ目的で出来たので、亀函馬車鉄道の名が付けられました。
その路線図を見ましょう。

それが、電気の力で走るようになったのが、1913年(大正2年)6月29日。
東雲(しののめ)町と湯の川を結ぶ5.83kmで開業しています。
ここは、その終点「湯の川」の三つ手前の電停です。(現在は湯の川、湯の川温泉、
函館アリーナ、そして駒場車庫前)
上りと下りの電車が入ってきましたね。

当時、東京以北では最も早い路面電車で、まさに東京以北最大の都市、日本9番目の
大きな都市、西洋文化を真っ先に取り入れたモダンな街、「ハイカラ」な町の函館らしい
動きだったのです。
レールの幅は1372mmで東京都の電車と同じ幅で、これはJRの電車の幅よりも長いの
ですよ。JRの在来線は1067mmですからね。
かつて電車車庫があった柏木町電停。
ここの車庫は、1936年(昭和11年)2月15日に完成していますが、38年後の1974年
(昭和49年)4月19日に閉鎖されています。

その車庫は電停の南側にありましたが、今は、広大な駐車場へ。
かつては、ホテルが建てられていたが、現在はスポーツジム「ホリデー」の駐車場へ。
左側は地元のスーパーが経営する回転寿司屋さん。

廃止されたのは、五稜郭公園前から直進していた宮前線という路線。
そこで、五稜郭公園前まで行って見ました。

ご覧のように、現在は左に曲がった路線だけです。直進する線路はありませんね。
左の大きな建物は、札幌に本店がある「丸井今井デパート」で三越の傘下に入って
います。

最後に、ここまでの線路を振り返って見ましょう。奥が柏木町、湯の川方向です。

終点「湯の川」から駒場車庫前を経て五稜郭公園前までは、高校生の利用客も多く
結構朝夕は込み合っています。沿線には、函館大学、函館短期大学、函館高専、
函館ラサール高、函館大有斗高、函館工業高校、函館大柏稜高、市立函館高、
函館大妻高、遺愛女子高など10校も学校があるのですから。
明日からは、廃止された電停巡りをしていきます。
それでは、また!
コメント
コメント一覧 (2)
とっても興味深く読ませていただきました。これまでも全国の鉄道、駅の旅日記を楽しませていただきましたが、路面電車も歴史を調べると結構ハマります。
ひとつひとつの駅の周辺も線路から見ると別の風景が見えることに気が付きました。
ご無理なさらずに、お出かけいただき次の記事も楽しませてくださいませ。
それにしても函館は歴史、風景、食べ物など何でも日本一だと思います。
鉄道だけではなく、路面電車の歴史も興味を引くものがあり、調べることにしたわけです。
無理せずに出かけていますので、大丈夫ですよ。日帰りのゆるい旅ですから。