朝夕は冷えるものの、10月に入いった初日の今日も日中は晴天で暖かく半袖でも
過ごせるほど。このままの気温と天候で!と祈りたいけど、でも冬に一歩ずつ近づいて
いるんですよね。
利尻山、大雪山、羊蹄山など北海道の著名な山々には初冠雪があり帯広には霜も
降りたとか。やっぱり冬はまじかに迫っているのか?
さて、五稜郭駅前の電停のことですが、「函館・道南鉄道ものがたり」(原田伸一 著
北海道新聞社)を読むと、
「また、五稜郭駅周辺の人口増に対応するため、1955年に路線を五稜郭駅前まで
延伸させ国鉄との接続を容易にした。これにより、国鉄を利用する郊外の通勤、通学者
が市電に乗り換え、五稜郭公園近くの本町や柏木町などに乗り換えなしで行けるように
なった。」
と書かれていて、この時代は郊外から函館市内に通勤・通学するために五稜郭駅で
下車し、市電に乗車する客が多かったことが分かります。
実際1966年度の市電利用者は1日あたり6.2万人に対し、マイカー所有者は約1万人。
大部分の通勤者は市電を利用していたのです。まだまだマイカーは高根の花だったの
でしょうね。
それが、1974年度はほぼ4万人の同数。それが、1983年度になるとマイカー所有者が
6.9万人に急増し、し市電利用者は約1万人に激減して逆転しています。
自動車の急速な普及が市電の縮小を招いたことが、はっきり分かりますね。
自分もそうでした。1975年に勤め始めて、最初は市電やバスを利用していていたが、
サラリーが倍々に上昇した1970年代後半の高度成長期、ローンを組んで車を所有出来る
ようになると、まったく市電・バスを利用しなくなりましたからね。
鉄道の廃止される路線で生活している人々もそうですね。テレビのニュースや新聞を
見たり聞いたりしても「廃止されるのはダメだが、自分は車に乗るので鉄道には乗らない」
という人が大半。
結局、車を持たない高齢者や高校生など交通弱者が犠牲になるのです。
さて、ガス会社前まで戻り、次に1993年(平成5年)4月1日に廃止されたガス会社前から
函館駅前までを見ていきます。
最初の電停は、「万代(まんだい)町」。

この信号が万代町と書かれていますので、この辺りか?
向かい側に渡り確かめる。信号だけではなく、「万代ふ頭」の文字もありますね。
中央奥の建物が北海道ガス会社函館支店のビルで、ここも函館駅を起点とする
国道5号線。

多分、電停はこの辺りにあったのでしょう。
1970年代から自動車交通の量が急激に増加すると、電車の安全地帯が邪魔に
なったのでしょう。
実際、市電の上りと下りの2線路が道路の真ん中を占領し、さらに両側に安全地帯を
設けると、道路は1車線となり渋滞となる。車優先社会では、のんびり走る市電は
邪魔者扱いされたのです。それも廃止の大きな理由なのです。

万代町のバス停もありました。

続いて海岸町。万代町から300mくらいの距離。

この辺りに電停があったのでしょうね。

続いて若松町。
ところが、若松町のエリアに入ってもバス停はなく何処に電停があったのか、分からない。

近くを散策して何かあるか探してみると。
土方歳三最期の地碑がある。そこは旧若松小学校の場所。だから、この辺りかな?と。

海岸町からの道のりを振り返る。この道を今から24年前は市電が走っていたのか、
と思い出してみるが・・・。しかし、自分はこの路線ほとんど利用したことがなく記憶は
ない。

函館駅前方向を見ると。

北海道新幹線が出来て以来、駅前にはホテルの建設ラッシュが続いていて、高いビルの
ほとんどがホテルなのです。
この写真、歩行者青信号で渡る途中でパチリ。決して赤信号を無視して撮影したわけでは
ありませんよ。
300mほど函館山方向、西へ行くと函館駅が見えてきました。

2003年(平成15年)6月21日に完成した5代目の函館駅。新駅だと思っていたけど、
もう14年も経ったのですね。
電停がこれ。

屋根付きの新型電停で、これだと雨降りでも安心です。
廃止された路線を振り返ります。左のホテルと右の高層ビルの間の道を直進して
市電が走っていたのです。

今は、ここで大きく右へカーブして行き、次の松風町へと。

この先は、市役所前・魚市場通りの電停に停まり十字街へと向かいます。

この電車はその十字街方面へ。十字街からは2方向へ分かれますが、この電車は
北の「函館どつく前」へ行く5番です。電車の上の行先は指示する窓に「函館どつく前」
と書かれていますね。

左の電車は湯の川方面へ行きます。2つの電車が交差していますが。車の信号は
すべて赤で通行止め。電車優先の信号です。市電も車同様に左側通行です。

明日は、いよいよ最終回。1992年(平成4年)4月1日に廃止された東雲線1.5kmを
見ます。
電停は、宝来町と松風町を結ぶ路線で、間にある電停は栄町と労働会館前の2つだけ。
それでは、また!
コメント
コメント一覧 (2)
北洋銀行万代町支店によく問い合わせがあるそうです、機械で振り込みをしたいのですが「ま行」にお宅の名前が出てこないと。
新潟も大阪も「ばんだい」が正式ですが、大阪は「まんだい」の俗称で呼ばれています。
ですから電停表示は電柱に付いていて、路面には横断帯と停車位置の線が引かれていたかと思います。